
こんにちは。
前回は、サルが温泉に入るとストレスが下がる可能性がある、という研究を紹介しました。
動物の研究から、人間の心の仕組みが見えてくることがある――
そんなお話でしたね。
今回は、動物研究の中でも特に有名な実験を紹介します。
それが、ロシアの生理学者
イワン・パブロフ
による犬の実験です。
ベルを鳴らすと犬がよだれを出す?
パブロフは、もともと「消化」の研究をしていました。
犬に食べ物を与えると、自然とよだれが出ますよね。
これは当たり前の反応です。
ところが、研究を続けているうちに、少し不思議なことが起こりました。
犬は、食べ物を見る前から、
「これからエサが来る」と予測すると、よだれを出すようになったのです。
そこでパブロフは、ある実験を行いました。
実験の内容
- ベル(音)を鳴らす
- その直後にエサを与える
これを何度も繰り返します。
するとどうなるでしょうか?
最初は、犬はベルの音に特に反応しません。
しかし繰り返すうちに――
ベルの音だけで、よだれを出すようになったのです。
これは「条件づけ」と呼ばれる
この現象は
条件づけ(条件反射)
と呼ばれています。
本来は
- エサ → よだれ(自然な反応)
だったものが
- ベル → よだれ(学習された反応)
に変わったのです。
つまり犬は
「ベルの音=エサが来る」
と学習したわけです。
実は人間にも起きている
この仕組みは、実は人間にも当てはまります。
例えば
- スマホの通知音が鳴ると気になる
- 好きなお店の前を通るとお腹がすく
- 嫌な場所に行くと気分が落ちる
こうした反応は、すべて
過去の経験と結びついた学習
と考えることができます。
私たちは気づかないうちに、日常の中で「条件づけ」を繰り返しているのです。
動物研究から見える人間の心
パブロフの研究は、犬の実験でした。
しかしそこから
- 学習の仕組み
- 行動がどのように変わるか
といった、人間の心理の基本が明らかになりました。
動物の研究は、人間の心を理解するための大切な手がかりになるのです。
おわりに
サルのストレスの話、そして今回の犬の学習の話。
動物たちの行動は、一見すると人間とは違うように見えますが、
実は共通する部分も多くあります。
心理学は、そうした共通点から「心のしくみ」を探っていく学問とも言えます。
パンチ君も、エサの時間になるとソワソワしているのかもしれませんね。
