前回は、ネズミの実験からわかった
「オペラント条件づけ」
について紹介しました。
行動のあとに“良い結果”があると、その行動は増えやすくなる。
たとえば、
- 褒められる
- ごほうびをもらう
- 得をする
こうした経験によって、人も動物も行動を学習していきます。
では、
「ごほうびをあげれば、何でもうまくいくのか?」
というと、実はそう単純ではありません。
今回は、
「なぜ“ごほうび”だけではうまくいかないことがあるのか?」
を見ていきます。
ごほうびに“慣れてしまう”ことがある
最初はうれしかったごほうびも、何度も続くと慣れてしまうことがあります。
たとえば、
- 毎回お菓子をもらう
- 毎回お小遣いをもらう
- 毎回褒められる
こうしたことが続くと、
「もらえて当たり前」
になってしまうことがあります。
すると、ごほうびの効果が少しずつ弱くなることもあるのです。
「ごほうびがないとやらない」状態になることも
ごほうびは強力ですが、使い方によっては、
“ごほうびのためだけに行動する”
ようになることがあります。
たとえば、
- シールがもらえるから勉強する
- お菓子があるから片付ける
という状態です。
もちろん最初のきっかけとしては悪くありません。
ですが、
「楽しいからやる」
「自分でやりたいからやる」
という気持ちが育ちにくくなる場合もあります。
人間には「気持ち」がある
ここがとても大切なポイントです。
ネズミの実験では、
「行動 → 結果」
が中心でした。
でも、人間には
- 感情
- やる気
- 自尊心
- 人との関係
など、もっと複雑な心の動きがあります。
たとえば、同じ“褒める”でも、
- 心から認められてうれしい
- 無理やり褒められている感じがする
では、受け取り方がまったく違います。
つまり、人間の行動は
「ごほうび」だけでは説明しきれないのです。
ときには逆効果になることもある
実は、もともと好きだったことに強いごほうびを与えると、
「好きだからやっていた気持ち」
が弱くなることがあります。
これを心理学では、
「アンダーマイニング効果」
と呼びます。
たとえば、
絵を描くのが好きだった子どもが、
「賞をもらうため」
「褒められるため」
ばかりを意識するようになると、以前ほど楽しめなくなることがあります。
じゃあ、ごほうびはダメなの?
もちろん、そんなことはありません。
ごほうびは、
- 行動のきっかけを作る
- 成功体験を増やす
- やる気を支える
など、大切な役割があります。
ただし重要なのは、
“ごほうびだけに頼りすぎないこと”
です。
最終的には、
- 楽しい
- やってみたい
- 自分でできた
という“内側からのやる気”も大切になってきます。
まとめ
オペラント条件づけでは、
「ごほうびによって行動が増える」
ことがわかっています。
しかし人間は、
- 感情
- 意味づけ
- 自分らしさ
などを持つ、とても複雑な存在です。
そのため、
「ごほうびさえあれば大丈夫」
とは限りません。
心理学では今も、
「人は何によってやる気を持つのか?」
というテーマが研究され続けています。
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なぜ「ごほうび」だけではうまくいかないの?
の続きとして読めます。
よかったら、暑い夏、クーラーの部屋で読書も乙かもしれませんね。

