安心できる存在が動物の心を支える――愛着理論から考える
犬や猫は、人との関係の中で安心感を得ています。
心理学では、このような安心できる相手との結びつきを「愛着(アタッチメント)」と呼びます。
災害時には、慣れ親しんだ飼育スタッフや飼い主の存在、優しい声かけ、いつもの匂いなどが、動物たちに安心感を与えることがあります。
言葉は通じなくても、「いつもの人がそばにいる」ということ自体が、動物にとって大きな支えになるのです。
レジリエンス――動物にも備わる回復する力
心理学には「レジリエンス」という考え方があります。
レジリエンスとは、困難や逆境を経験しても、周囲の支えを受けながら少しずつ回復していく力のことです。
動物も、安心できる環境で十分な休息を取り、信頼する人との関わりを持ちながら生活することで、本来の落ち着きを取り戻していくことがあります。
今回、迅速に避難を行い、安全を確保したスタッフの対応は、命を守るだけでなく、その後の心の回復を支える第一歩にもなったのではないでしょうか。
命が助かった、その先にあるもの
災害では、まず命を守ることが最優先です。
しかし、命が助かった後も、動物たちは私たちと同じように、不安や恐怖を経験しているかもしれません。
だからこそ、食事や健康状態だけでなく、「最近いつもより落ち着かないな」「よく隠れるようになったな」といった小さな変化にも目を向けることが大切です。
今回のニュースは、「全頭無事」という嬉しい知らせで終わるものではなく、「これから動物たちが安心して過ごせますように」と願うきっかけにもなりました。
災害後の心のケアは、人だけでなく、犬や猫などの動物にとっても大切なテーマです。
命が守られたその先にある「心の回復」まで見つめること。それが、人と動物がよりよい関係を築くための第一歩なのではないかと、私は考えています。
おまけ
レジリエンス・・・まさにそのテーマ(動物が持つ驚異的な回復力、環境適応力、ペットが持つ癒やしや生き抜く力)を深く描いたおすすめのマンガをご紹介します。

『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』(著者:松本ひで吉)
一見ギャグマンガですが、犬の「圧倒的なポジティブさ(嫌なことがあってもすぐ忘れて立ち直るレジリエンス)」と、猫の「マイペースに環境に適応する力」の対比が、まさに動物の回復力を描いています。2026年7月で8巻まで出てます。
心がじんわり温かくなり、明日からの元気がもらえる作品です。まとまった時間がとれるこの夏休みの読書に、ぜひいかがでしょうか?
